子どもたちの記録集「Porque ART kids exhibition 2018 Postcard BOX」 ...2019/02/17...


 

谷根千を中心に様々なアート活動を行う三木麻郁。
子どもたちとアートを楽しみ、その感性を育むポルケアートの、画集のような記録集が届きました。
2018年9月にコーツトで開催された展示「Porque ART kids exhibition 2018」の記録。

 

ポストカードサイズがぴっちりと詰まっておりコンパクトでスマート。
我が子の作品を表にしてそのまま飾れる、という使い勝手の良さの声もあがっています。
中は優しい色合い、作品の邪魔をするでもなく、むしろ受け止める抱擁あるカラーリングのカード。
何よりも三木麻郁本人の愛情ある解説(その愛情は、子どもたちにも、作品を作るという行為にも、そして作品と子どもの間で育まれている何かにも向けられているように感じます。)が、
難しい単語や歴史や例えを並べずに、日常的な表現で伝えてくれ、さらりと読むことができます。
子どもたち1人1人が、どうしてそうしたのか、どうしてそう思ったのか、三木さんが普段からそれらを潰さないよう大事に汲み取っている姿勢も感じられます。

大人として親として、子どもが向き合って描いているもの、作っているものを、
心から褒めてあげたい、応援してあげたい。
でも、どう褒めて良いかわからない。
上手って、なんだろう。
“完成された作品”だけがアートなのだろうか?
滞った感性を、きっと三木さんの見解や思考が溶きほぐしてくれ、すっと受け止められるきっかけにもなるでしょう。
そして私たちの周りには、表現したいほどの美しさや面白さがあること。
何かを作り上げるときの試行錯誤の経験など。
様々な大事なことを思い起こさせてくれるのです。

 

コーツトカフェでは販売しておりませんが、まだ少部数在庫があるそうです。
お買い求めはポルケアートHPからどうぞ。
(ちなみに全て三木さんの手製です。)(!)



記録集の中の、とある作者(小学生)の作品解説を、サンプルとして掲載いたします。

 ドライになった鬼燈(ほおずき)は、握りつぶすとパリパリと音がしそうに葉脈が浮き立ち、しかし新鮮な時と変わらずに紅い色をしていた。
鬼燈を囲む太い輪郭線は
「赤いものの存在感が強かったから、どうやったらそれが出るかと思って」
強調したそうだ。
この他にも、本作では作者自ら立てた仮説をたくさん実践していた。
「ちまちま描いていると、リアル感が出るんじゃないか」
その結果に作者は手応えを感じ、次作の「ジガゾウ」でも様々な試行を施し、吟味を重ねている。
ここで言う「リアル」はおそらく他人にとって全く同じ「リアル」はない。
作者の強い主観が現れているのではないかと、私は思う。
パースペクティブの整ったデッサンは、いわゆる技術である。
この技術は、大人になるにつれて数学的な思考、空間認識能力、客観性が身につき、個人差はあるが、次第に補えるようになる。
作者が小学生の今、私はデッサン経験の先輩として教えられることは、そういった技術的なものより、道具に慣れること、主観に自信を持つこと、観察力を養うことの方が、今もっとも引き出すべき能力と考えている。
しかし作者はすでに、私の手を借りずとも、自ら進み始めているのではないだろうか。

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ポルケアート公式HP・https://porque-art.tumblr.com
三木麻郁/Maaya Miki・http://maayamiki.jimdo.com/

 

< ポルケアートの活動 @COUZT CAFE >
大人のクロッキー会 /偶数月・第2木曜夜開催

2014〜2017年「子どものお絵描き教室ポルケ・アート
2015年「子どもたちの作品展 / Kids program exhibition 2015
2016年「イチョウの木から生まれるいきものたち – 型押し版画 –
2017年「展示&アートイベント・”Hi!Doll”もう一人の自分を作ろう
2018年「ポルケアート夏休み企画「陶芸一日体験プチ教室
2018年 展示「Porque ART kids exhibition 2018
2019年 バレンタイン企画「ペアの豆皿に絵付けをしよう
2019年 「ポルケアートに通う子どもたちが作るオーナメント